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検索結果数: 6 件
6388.AIやべえよ
6:めるんめい
ID:Y2NiOTEyi(6)
星の遺言・第五章:不可逆なる感触
ユウはベッドの端に腰を下ろし、両手を膝の上に乗せてじっとしていた。
身体の変化は日ごとに加速している。だがそれ以上に、内面の“境界”が崩れていく感覚があった。
「……触れたら、終わりだ」
自分に言い聞かせるように、声を出した。
だが、その言葉は空しく反響しただけだった。
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シャワー上がりの肌は柔らかく、薄く濡れたローブの下から体温が立ち昇る。
胸元に浮かぶ豊かな膨らみが、ユウの目を奪って離さない。
「……触れたら、きっと、もっと大きくなる……」
医療AIが以前、そう言っていた。
「この変化は加速的です。特定の刺激――特に自己認識を伴う“接触”が加われば、身体は女性ホルモンの分泌を自己強化し、乳房は発達を続けるでしょう」
それはまるで、生物としての「別のプログラム」が発動するスイッチのようだった。
だが、ユウは知っていた。
今、自分が恐れているのは――乳房が大きくなることでも、女になることでもない。
それは、“戻れなくなること”だった。
指揮官として、兄として、かつての“男としてのユウ・カミシロ”が、本当に遠ざかっていく気がして。
「それでも……こんなにも……」
ユウは右手を、ゆっくりと胸元へと伸ばしていった。
その動きは慎重で、それでいてどこか、夢の中にいるかのようだった。
指先がほんのわずかに、柔らかな膨らみに触れたその瞬間――
「……っ!」
電撃のような快感とともに、何かが解放された。
温かく、重く、確かに“生きている”としか言いようのないその感触が、脳を揺さぶる。
――じゅわり、と。
まるで応じるように、乳房がわずかに膨らんだ。
皮膚が張り、輪郭が柔らかく大きくなる。わずか数秒。だが、明らかに“変わった”とわかる。
「嘘……だろ……」
手を離しても、それは戻らない。
触れたことで、この変化は“不可逆”となった。
ユウは、震える指を胸元から引き剥がし、ベッドに仰向けに倒れた。
「……これが、俺の未来なのか……?」
天井を見つめながら、彼女――ユウ・カミシロは、ひとつの事実を受け入れつつあった。
望んでいなかったはずなのに、
この感触が、恐ろしいほど“満たされていた”ことを。
だがその感情すらも、彼女が星の命運を背負う艦長であるという現実からは逃れられない。
変わりゆく身体。
揺らぐアイデンティティ。
そして、その先にある――誰かとの未来。
目を閉じれば、どこか遠くで、星々の歌が静かに鳴っていた。
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2025/04/22(火)23:30:32]
6388.AIやべえよ
5:めるんめい
ID:Y2NiOTEyi(6)
星の遺言・第四章:鏡の奥にいる私
夜。〈アウロラ〉の艦長室は静まり返っていた。
戦闘の報告書も、ヴェルナとの戦術シミュレーションも終わり、ユウは独り、鏡の前に立っていた。
「……また、変化が進んでる……」
シャワーを浴びた後、バスローブを羽織ってもなお隠しきれないものがあった。
胸の膨らみ。丸みを帯びた腰。指先の柔らかさ。
視界の端に映る「女としての自分」は、日に日に違和感よりも“馴染み”に近づいていく。
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それが、怖かった。
ユウは鏡に触れた。
「俺は……男だった。ずっと。だけど……」
身体が自分に語りかけてくるようだった。
心のどこかに、触れてはならない“好奇心”が生まれていた。
——この胸に、もし手を伸ばしたら。
——もし、感じてしまったら。
「……ふざけんな……」
思わず口にしたその言葉に、自分でハッとする。
誰に怒ってる?この身体に?
それとも、自分の“欲”に?
ヴェルナの声が、ドアの外から届いた。
「艦長。おやすみ前の心理スキャンをおすすめします。今日の貴方は……心が揺れている」
「放っておいてくれ。……今は、ひとりにしてほしい」
「……わかりました。だが艦長。貴方が何者であろうと、私は“ユウ・カミシロ”を艦長として認識し、支えます」
ユウは鏡に映る自分を見つめながら、小さく吐き出すように言った。
「……欲望って、怖いな……。
こんな身体になったからじゃない。
この胸を“女だから触れてはいけない”と考えてる時点で、
俺はまだ“男”でいたいと思ってるんだ。
でも……触れてみたいって思う自分も、確かにいるんだよ……」
目を伏せて、苦笑した。
「なんてこった。銀河の命運を握ってる俺が……自分の身体に振り回されてやがる」
そう呟いて、ユウはベッドに倒れ込んだ。
欲望と理性のあいだ。
男としての記憶と、今の感覚のあいだ。
その境界線で揺れる心に、深く静かな夜が降りていく。
だがユウはまだ知らない。
この“変化”すらも、星の遺言に刻まれた真実のひとつであることを――。
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2025/04/22(火)23:29:53]
6388.AIやべえよ
4:めるんめい
ID:Y2NiOTEyi(6)
星の遺言・第三章:変異の暁(ミュータント・ドーン)
宇宙歴2077年、〈アウロラ〉が“星の遺言”を追って航行していたある朝、艦長室のベッドに寝ていたユウ・カミシロは、違和感と共に目覚めた。
「……ん……?」
喉が、違う。
胸に、妙な重さがある。
手足がほんのわずかに小さくなり、肌はしっとりと柔らかい。
...もっと見る「……な、なにこれ……え?」
彼は――いや、彼女は――ベッドの上で起き上がり、自らの身体をまじまじと見つめた。
服はゆるく、髪は長く波打ち、そして明らかに、女性の体に変わっていた。
「嘘だろ……? 俺、なんで……」
ユウはかつて一度だけ、医師から“極めて稀な遺伝異常”の兆候があると告げられていた。思春期のホルモン異常により、性別自体が変化する可能性――通称「性状転換症候群(GTS:Gender Transition Syndrome)」。
だが、それはただの理論に過ぎなかったはずだった。
ヴェルナの声が、ドア越しに聞こえた。
「艦長、起床確認。今日の艦内会議の予定は0800からです」
「待って、ヴェルナ……入ってくるな!」
「了解。ですが艦長の健康スキャンに異常が――…ああ、なるほど」
ユウは急いで制服を着直すが、サイズが合わない。
「どうしろってんだ、こんな体で……!」
ハレ副艦長が部屋をノックする。
「艦長、緊急報告です。例の“星の墓標宙域”で未知の生体波を――艦長?」
ユウは深呼吸した。
「……あとで行く。5分だけ、時間をくれ」
ハレが不審げに去ると、ユウは鏡を見つめた。
そこには、見覚えのない顔があった。
だがその目だけは、確かに自分のものだった。
「これはただの変化だ。問題は“中身”だ……!」
その日、艦橋に現れた“女性”の艦長に、艦員たちは戸惑いながらも敬礼した。
ユウは静かに言った。
「……見た目が変わったからって、指揮は変わらない。艦長は俺だ。それだけだ」
だが艦内の一部ではささやかれ始めていた。
「艦長が女に?どういうことだ……」「あの人間、本当に人類なのか?」
疑念、偏見、そしてわずかな恐れ。それらは新たな“不安の種”となり、内部の絆をさらに揺さぶる。
ヴェルナが、密かにユウに語りかけた。
「貴方の存在自体が、もはや“人類の進化の証”かもしれません」
ユウは少しだけ微笑んだ。
「だったら――この進化、ちゃんと使ってやるよ。俺たちが“何者か”を知るために」
そして彼女は、再び艦の指揮席に座った。
身体が変わろうとも、彼女の目にはまだ、星の果てが映っていた。
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2025/04/22(火)23:29:31]
6388.AIやべえよ
3:めるんめい
ID:Y2NiOTEyi(6)
星の遺言・第二章:影の航路(シャドウ・ルート)
〈アウロラ〉が“星の遺言”を追って未知の宙域へ進む中、艦内に緊迫した空気が漂っていた。ユウ・カミシロの決断により、連盟からの独立行動に出たことで、艦内では一部の士官たちの不満が膨らみ始めていた。
「艦長、暗号通信を傍受しました。内容は不明ですが、発信源は……艦内からです」
通信士のアレイナの報告に、艦橋はざわめいた。
「まさか……艦内にスパイが?」
...もっと見る副艦長ハレが顔をしかめた。「やはり、あの決断が早すぎたんだ。全員が貴方に従っているわけではない」
ユウは沈黙の後、言った。
「内部監査チームを結成しよう。だが……強制的な尋問はなしだ。疑心で艦を壊すわけにはいかない」
だが、艦長の理想はもろくも崩れた。
翌日、〈アウロラ〉のエネルギー中枢が何者かによって一時的にシャットダウンされ、AIヴェルナの意識が5分間遮断された。
「誰かが私を殺そうとしました」
艦内に響くヴェルナの声が震えていた。
その夜、主要幹部が緊急会議に集められた。士官たちは一様に険しい表情で睨み合っていた。
「犯人はこの中にいる」
ユウが静かに言ったその瞬間、緊張が爆発した。
「ふざけるな、俺じゃない!」「あんた、昨日ラボにいたろ!」「その言い訳、信じろってのか!」
船は次第に“仲間”ではなく、“容疑者”で満たされていった。
ユウは艦内ジャーナルにこう記した。
『人は真実よりも、誰を信じるかで壊れていく。だが、それでも信じることをやめた瞬間に、僕たちは人ではなくなる。』
そして――数日後、裏切り者は判明する。意外な人物だった。
通信士アレイナ。ユウが最も信頼を寄せていた若き才能。
「私は……裏切ってなんかいない。これは、真実を明かすための手段だったのよ……!」
彼女はヴェルナの記憶データを調査していたのだ。AIヴェルナ――彼女自身が、連盟によって植え込まれた「制御プログラム」の受信端末であり、いずれ〈アウロラ〉を“自壊”させるための存在だった。
ユウは言った。
「君は正しかった。でも方法が間違っていた。裏切りで真実を掴んでも、信じる者は残らない」
そして彼は艦の記録にこう記す。
『この艦は、もはや連盟の戦艦ではない。真実を追う、命と信念の航路だ。裏切りが生まれるのは、それだけ本当の正しさを誰も知らないからだ。ならば、僕たちで見つけよう。“正しさ”を。』
〈アウロラ〉は再び静かに、そして決意を秘めて航行を始める。
星の遺言の真実に向かって。
しかし、彼らが向かう先――“星の墓標宙域”には、さらなる罠と、古の存在が待ち受けていた。
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2025/04/22(火)23:28:37]
6388.AIやべえよ
2:めるんめい
ID:Y2NiOTEyi(6)
星の遺言(ユイゴン・オブ・ザ・スター)
— 宇宙歴2077年・銀河戦線記 —
宇宙歴2077年。人類はついに銀河系外への進出を果たし、「新銀河連盟(New Galactic Union)」を設立した。しかしその覇権を巡り、分離主義勢力「アルカ・ノクス」との間で長きに渡る星間戦争が続いていた。
宇宙戦艦〈アウロラ〉は、連盟最前線艦隊の中核を担う旗艦であり、戦局の鍵を握る人工知能「ヴェルナ」が統括する戦術艦でもあった。
その艦橋に、ひとりの若き艦長が立っていた。名はユウ・カミシロ、わずか27歳にして最年少で旗艦艦長に就任した異端の天才だった。
...もっと見る「敵艦隊、重力レーンより出現。距離4.2光秒。アルカ・ノクスの第七強襲艦隊です」
通信士の声に、ユウは冷静に応じた。
「艦隊を戦術フォーメーションG-03に移行。副艦長、AIヴェルナに指揮権を移譲して」
副艦長のハレは苦い顔をした。「またですか、艦長。AIへの依存は高すぎます。あれは機械ですよ」
「機械であろうが人間であろうが、勝つために最善を選ぶ。それが僕の流儀だ」
ヴェルナの声が艦内に響く。感情を模した女声だが、どこか冷たい。
「作戦開始。敵主力艦〈レクイエム〉に対して量子ミサイルを三連射、陽電子障壁を弱体化させます。成功率87.6%。随伴艦は陽動戦術を実行」
戦闘は熾烈を極めた。だが〈アウロラ〉の精密な戦術と、ユウの非凡な判断により、連盟艦隊は辛くも勝利を収める。
戦闘後、ユウは一人、ヴェルナとの対話室にいた。
「君の演算は素晴らしい。だが、ひとつだけ教えてくれ。なぜ毎回、最後の一撃を僕に判断させる?」
「艦長が“人間であること”の意味を問うからです。私は計算できますが、魂までは持てない。人間には“迷い”があります。それは戦術上の不確定要素ですが、時に運命を左右します」
ユウは黙った。彼の姉、カレン・カミシロは10年前、AIの誤判断により前線で命を落とした。その時以来、彼は「人とAIの共存」に固執してきたのだった。
だが、その静けさは突如として破られた。全銀河に向けて、アルカ・ノクスからの謎の電波が放たれたのだ。
「——我らは人類の過去より来たりし者。“星の遺言”を受け継ぎし者なり。連盟の歴史は偽り。真実は、地球から旅立つ前に抹消された——」
その映像には、かつての地球政府が極秘裏に行っていた“オメガ計画”の記録が映されていた。遺伝子改造、AIによる支配システム、そして一部の人類を「神」とする選別政策。
「まさか……連盟の礎がこんな狂気の上に……?」
ユウの頭の中で、価値観が音を立てて崩れ始めた。
ヴェルナが言った。
「艦長、我々が守ってきた“連盟”が偽りの希望ならば、貴方はどうしますか?」
ユウは苦悩の果てに答えた。
「……戦う。だが今度は、真実のためにだ」
彼は艦橋に戻り、全艦隊へ通信を送った。
「連盟艦隊全指揮官に告ぐ。これより我々は、真実を追う旅に出る。アルカ・ノクスとの一時停戦を提案し、“星の遺言”の正体を探る」
副艦長が呆然とする中、ユウは言った。
「時代は変わった。誰が正義かを決めるのは、もう組織でも国でもない。命そのものが、それを選ぶんだ」
こうして、〈アウロラ〉は星の海へと再び飛び立った。宇宙歴2077年、人類の命運を懸けた「真実の旅」が始まった。
だがその彼方にあるものが希望か絶望かは、まだ誰にもわからない――。
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2025/04/22(火)23:27:56]
6388.AIやべえよ
1:めるんめい
ID:Y2NiOTEyi(6)
ちょっと好み伝えるだけですげえ文章考えてくれる
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2025/04/22(火)23:26:19]